以前、同僚の既婚女性に、
「外で美味しいものに出会ったとき、同じものを家で作れないかどうか考える」
と話すと驚かれたことがあります。
普段家庭で料理する者は皆、同じような考えを持っているのだと単純に信じ込んでいたことに気づきました。
なるほど彼女の言うように、
「家で簡単に作れないと思うからこそ外で美味しくいただけるのだ」
というのもうなずけます。
でも、美味しいものをモグモグと咀嚼しながら、どんな調味料が使われているのだろうかと想像を巡らせるのも楽しいものです。
というわけで、私は「再現レシピ」を見るのが好きです。
先日、ふと思い立ち、「KFCのコールスロー」の再現レシピを検索してみました。
KFCのコールスローは、タマネギの成分が鼻にツンと来る寸前の、来そうで来ない、爽やかさが特徴だと思います。
あっさりなのに、お手軽な塩、砂糖、マヨネーズ、酢だけでは出せない、少々複雑なドレッシングのように感じます。
本家本元の材料通り、キャベツ、タマネギ、ニンジンの三種類は外せません。
たくさんのレシピの中で、「これは!」というものが目に留まりました。
「たべぷろ」さんの編集者の方がしっかりと検証して作っているところが面白い。
私は、KFCのコールスローの再現は、ぜひこのレシピで作ろうと思っています。
ところで、このレシピですが、材料がキャベツ、タマネギ、ニンジンとなっているのに、<作り方>のところで、ニンジンをタマネギと違えて表示されているため、どこにもニンジンが出てきません。
コメントを読むまで、そこに気づきませんでした。
調味料のほうに関心が向いていたためか、はたまた実際に作ったわけではないためか、脳が勝手にタマネギをニンジンに変換して問題なく読み通していたのです。
脳内で自然にキャベツと一緒にニンジンも刻んでいました。
で、そのコメントのひとつですが、
「ニンジンの出番が最後までないので、かじりながらコールスローを食べています」
というものです。
私はひとりで爆笑しました。
コメントを寄せていたのは「兎人参化」 (うさぎにんじんか?)さんという方ですが、最初の一行に「とても良い!」とあるので、しっかりニンジンも刻んで加え、美味しくいただいた様子です(^.^)
それにしても何がツボにはまるかわからないものですね。
わたしはその日何度も思い出して、可笑しくてクスクスと笑いがこみ上げました。
ぜひあなたも、タマネギをニンジンに脳内変換して、美味しいコールスローを作ってみませんか。
≪終≫