子猫がやってきた2

子猫を保護した翌日、小さな段ボール箱に穴を開けて子猫を入れ、動物病院へ連れて行った。

 

実用的な猫の扱いの知識は持ち合わせていなかったので、小さな命を前にして、何をするにも自信が無くておずおずとしてしまった。

 

ただ、猫には「猫白血病」や「猫エイズ」の他に、感染症もあるようだということぐらいは知っていた。

 

初診は、採血と合わせて、検便、検温、触診、口内、耳中、眼病、毛並みなど一連の診察をしてもらった。

 

先生がウエットフードの入った容器を猫の顔の高さで差し出すと、昨夜からミルクしか飲んでいなかった子猫はわき目も振らずにガツガツと食べた。

 

採血の結果は後日に出るとして、体温が少し低めということ以外は、すべて異常無しということだった。

 

それから一週間後に二度目の受診があったのだが、血液検査の結果は猫白血病ウイルスも猫免疫不全ウイルスもマイナスだった。

 

結果を受けて、やはり遺棄されたばかりだったのだと確信した。

 

その後、生後三か月ごろに一回目の混合ワクチンを接種、それからさらに一か月後に二回目のワクチンを接種した。

 

以降は定期的に年一回の接種を受けることになった。

 

ところで、生後四か月を過ぎたあたりで、突如発情期がやってきた。

 

避妊手術の予約日はまだ一か月以上先である。

 

それさえも少し早すぎないかとためらいがあったが、とんでもない。

 

最近は、キャットフードの影響で栄養状態が良くなり、発情期を早く迎える猫がいるらしい。

 

イメージとは違いあまりの早さに驚くばかりだったが、確かにもう子猫とは呼べない大きさに育っていた。

 

ふり返れば、子猫と呼べる時期は二か月を過ぎるころには、あっという間に終わっていたように思う。

 

それにしても、尻尾を立てて、ニャ~ゴ、ニャ~ゴと悩ましく鳴き続けること、約一週間。

 

その間、餌もろくろく食べてくれない。

 

昼夜関係なく、部屋中を歩きまわりながら鳴き、家族のだれかれ構わずお尻を向けては鳴き、足元でまとわりついて鳴き、ガラス越しに外に向かって鳴く…。

 

それが、数日間から一週間おいて、周期的に何度かやってきた。

 

家族はなすすべも無い。

 

病院へ電話を入れて相談してみた。

 

実は、前回、避妊手術の予約をとるときに、避妊去勢手術の予約はひと月先まで埋まっていることを知った。

 

そこでもしキャンセルが出ることがあれば、こちらの手術を早めてくれないだろうかとお願いしてみた。

 

翌日、病院から連絡があり、緊急というかたちで診療時間後に対応してもらえることになり、非常に助かった。

 

     ≪終≫

 

 

餌入れと水入れ。ずっとシンプルなものを探していたら、百均にありました。台とお皿が別々だから、洗いやすい(^_^)

 

 

 

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